「音(おと)ちゃんとチョコちゃんのげつようび」後編(こうへん)
さく:いまだなおみ・おくさわきよ
「はぁ。おなかすいたね。」
「いっぱい あるいたね。」
おなかは ぐーぐー ひとやすみのあいず。
「おやつ もってきたよ。」
「えっ!おやつ?わーい。」
お気(き)に入(い)りの 場所(ばしょ)へ いそぎます。
「わぁ ぶどう だいすき!」
音ちゃんの リュックサックから ピカピカのぶどうが
ぷりんぷりん。
「きみどり むらさき あかいろ ぶどう♪」
「まる まる まる まる ほそなが ぶどう♪」
「チョコちゃんといっしょに食(た)べると、
 なんておいしいの!」
たっと てっと もぐもん たっと てっと もぐもん 
「音ちゃんのぶどうは、しあわせぶどう♪」
たっと てっと もぐもん たっと てっと もぐもん 
「お手紙(てがみ) とどいたかなぁ。」
「神(かみ)さま よんでくれたかなぁ。」
 ちく ちむ みむ み  ちく ちむ ちむ み
「あ、アリさんも、たべてるね。」
「うん。おいしいぶどうがあるって
 神さまに きいたのかな?」
「ちいさいね。」
「うん。いきてるね。」
 ちく ちむ みむ み  ちく ちむ ちむ み
「神さまも あるくのかな?」
「神さまは とぶんじゃない?」
「ふわっと すいっと びゅん びゅびゅん!」
「パンダは とばない け・れ・どー♪」
「りっぱな 足(あし)が はえている♪」
「パンダは きらきら ないけれどー♪」
「まぁるい あたまを もっている♪」
ふたりは きらきらの こもれびの中を 進(すす)みます。
「ねぇ、音ちゃん、
 神さまに会(あ)いに行(い)こうよ。」
「行こう、行こう。」
「ねぇ、チョコちゃん。神さまってどこにいるの?」
「さっきの手紙には『かみさまへ』って書(か)いたよ。」
あれれ? 神さまの おうちは どこ?
「だれか しってるよ。探(さが)そう!」
「さんせい!きっと会(あ)えるよ。」
「トンボさん、神さまのおうち しってる?」
「さぁね。おいらの神さまは、おいらさ。
 鈴(すず)でも ならしな。」
トンボは、びょんと とんでいきました。
「石さん、神さまのおうち しってる?」
「おいらはカエル石さま。がろ・がろ・が。
 がろ・がろ。柏手(かしわで)打(う)ってみな。」
ぐー ぐー ぎぎぎー。
おおきないびきが聞こえます。
「大きな木さん。神さまのおうち おしえて。」
「ぎぎ、ぎぎ、かはーーーはぁーー。
 あっちこっち、そっち、こっち。
 ぐぐぐーぎーぎー。。。。」
誰(だれ)に聞いても ふしぎな おへんじ。
すーんと さみしい きもち。
「ちゃりん ちゃりん の りんりんりん!」
「ぱん ぱん ぱちん の ぱん ぱちん!」
ちからを だして さけびます。
どどどん どっどど じゃぷ じゃぽ じゃん!
 
ざわん ざわわん びゅう びゅ びゅう!
「そうだ!あの人に聞いてみよう!」
「神さまの おともだち?」
「神さまの おうちを しってますか?」
「ふぁふぁふぁふぁ!それは むつかしいのぉ。」
「むつかしいの?」
「神は かたちを変(か)えて、
 どんなものにも宿(やど)るからの。」
「宿る?」
「どんなものも、おうちにしちゃうんだわ。」
「花に宿り、風に宿り、木に虫に。
 そこらじゅう、神さまの おうちだの。」
「神さまって すごーい!」
「ひっこしが 好(す)きなんだの。」
「神さまに会いたいんか?なら、もう会っとるだろ。
 神は 相手(あいて) のおもう姿(すがた)で
 見(み)せてくれるぞ。」
「音は、まぁるくて きらきらと おもうの。」
「まぁるくて きらきらとは ええの。
 どうかの?わからんか?
 きらきらや、まぁるいものじゃよ。
 きょうをおもいだしてごらんな。」
「チョコちゃん!きらきらの虫!」
「音ちゃん!アリさんは まるが3つも! 」
「滝のしぶきも まんまる きらきら!」
「森(もり)の こもれび まんまる きらきら! 」
ふたりは おおわらい。
「おてがみ どこへとどくかな?」
「トンボさんとカエル石さまが 言ったのは。。。」
「あっ!神社(じんじゃ)!」
「神さまが おしごと するところ!」
「びゅうびゅう じゃじゃじゃん がるがらぎー♪」
「まんまる きらきら どこでしょね〜♪」
「ぱん ぽん ぱぽぽん ぷーぴーぴゅう♪」
「パンダの あたまも まんるよ〜♪」
ざわざわ ざざざざぁ しゅるー るーぅー。
大きな風です。
「神さまー!」
「神社で お手紙 読(よ)んでね〜!」
ざざざん!びゅうびゅ びゅう〜!
「ざざざー びょーびょー びゅう びゅう びゅう〜!」
おしまい
「音ちゃんとチョコちゃんのげつようび」後編
さく:いまだなおみ・おくさわきよ  撮影・編集:おくさわきよ 
撮影協力:郵便名柄館 ありがとうございました